沈黙−サイレンス− 映画の最後の音響演出が余韻を残す、静寂に満ちた162分


【7】予告編を初めて観た瞬間に、この映画は絶対に劇場で鑑賞しなくてはいけないと思ったこの映画。

 江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増していた17世紀。長崎で宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が捕まって棄教したとの知らせを受けた彼の弟子ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)は、キチジロー(窪塚洋介)の協力で日本に潜入する。その後彼らは、隠れキリシタンと呼ばれる人々と出会い……。

 遠藤周作の小説「沈黙」を、マーティン・スコセッシが映画化した歴史ドラマ、17世紀、キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期の日本を舞台に、来日した宣教師の衝撃の体験を描き出すという映画。


 当時の幕府(今で言うなら政府)の、切支丹への弾圧のすさまじさに目を背けたくなる。
不寛容な「沼地」は、何も江戸初期の日本ばかりではなく、いや、今、日本が、世界が、この不寛容な沼地にどっぷりと浸食されている。
そのことを考えると、これは過去の宗教弾圧・切支丹弾圧を描いただけものではなく、まさに現代に対しての警鐘的な作品であり、製作側の都合があったらしく、大幅に完成が遅れたそうだが、しかし、だから今、この映画が完成し上映されていることは、誰の導きなのか。


 さらに、キリスト教が真であり正義だという価値観については、とやかく言うつもりがないが、神(先祖・自然)を崇め、仏に教えを請い、キリストにすがるという(大雑把すぎる表現ではあるが)、世界的にも希有な、「日本人が信心しているのは日本教」とも言える日本人の宗教観について、宣教師の苦悩を通して触れられていたという、タブー的な示唆もあったことに驚き。


 映画の最後の音響演出が余韻を残す、静寂に満ちた162分だ。
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