アクトレス~女たちの舞台~ 容赦なく流れゆく時間と対峙する女優の葛藤


【57 うち試写会12】 映画界でその名をとどろかすマリア(ジュリエット・ビノシュ)は、マネージャーのヴァレンティーヌ(クリステン・スチュワート)と一緒に仕事に励んでいた。そんなある日、マリアは若いころの出世作のリメイク版への出演をオファーされるが、彼女が演じた若き美女シグリッド役ではなく、ヒロインに振り回される中年上司ヘレナ役だった。リメイク版の主役には、ハリウッドの新進女優ジョアン(クロエ・グレース・モレッツ)がキャスティングされていて……。

 ジュリエット・ピノシュ自身の「容赦なく流れゆく時間と対峙する女優の葛藤」という企画を、オリヴィエ・アサイヤス監督が脚本に書き下ろし、大女優の生き様をスイスアルプスの息をのむ絶景を背景に描く華やかな世界に生きる女優の光と影を描いた人生ドラマ、自身の出世作の再演でヒロインではなく年配女性の役を依頼された大女優の葛藤を、オスカー女優ジュリエット・ビノシュが体現するという映画。


 原題の「SILS MARIA」は劇中の山荘がある景勝地の地名。
劇中劇であり、ジュリエット・ビノシュ演じるマリア・エンダースの出世作となった「マローヤのヘビ」というのは、この地の特異気象現象を表しており、映画の中で流れるこの気象現象を撮影された100年前の映像が、大きな伏線となる。

 第1幕、授賞式で、セクシーなシャネルのドレスに身を包み大女優として振る舞う美しいマリア。
第2幕、シルスマリアの山荘にこもり、短髪で殆どノーメイクで、ヴァレンティン相手に役作りする苦悩のマリア。
そして第3幕、凛とした気概でリメイク版の舞台のオープニングに臨むマリア。


 彼女を支える個人マネージャーであるヴァレンティーヌを好演したクリステン・スチュワートは、アメリカ人女優として初のセザール賞を受賞。
ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツ、三者三様の女優、ガチンコ勝負。
しかし、マリアの苦悩の原因は、グリッド役に配役された若手女優ジョアンなのではなく、自分の無意識な若さへの執着であり、その執着の元凶はもしかしたらクリステン演ずるヴァレンティーヌだったのか。
エピローグに行くまでの、最後のクライマックスは驚きだった。
これはほんといい映画を観た、現時点の今年の一番の映画として、「おみおくりの作法」かこの「アクトレス~女たちの舞台~」か、悩むぞ!
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