イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 暗号解読だけのお話しではなかった

【15 うち試写会2】 第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。

 第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かし、劣勢だったイギリスの勝利に貢献し、その後コンピューターの概念を創造し「人工知能の父」と呼ばれた英雄にもかかわらず、戦後悲劇の運命をたどった天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ。


 実在した数学者の生涯を、その業績ではなく、その心情に焦点を当てて描いている。
ドイツからの戦争被害が拡大していく中、成果を出すことに軍に急き立てられながらのエニグマ解読の過程に緊張感がみなぎるというそんなサスペンス的な要素に加え、コミュニケーション障害かのように人間関係が構築できずに仲間から孤立するチューリングの過去を、少しずつ浮かび上がらせる構成にはミステリー的な要素もある。
少年時代、第二次世界大戦中、戦後という3つの時代をスムーズにつないで主人公の人となりを描く構成が巧みで、アカデミー賞脚本賞も納得だ。
そしてこの映画をさらにすばらしきものにしているのは、ネディクト・カンバーバッチの演技に尽きる。
癖ある異能の人を演じさせたら彼の右に出る役者はいないねとあらためて思い知った。
アカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされたのに、受賞とならなかったのは残念。


 ややもすれば陰鬱になりそうなこの映画に、紅一点でなんとか華やかさをもたらしていたジョーン・クラークを演じるキーラ・ナイトレイも、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされてたがやはり受賞には至らず。

 「エニグマと天才数学者の秘密」なんてつまらないサブタイトルが付いてるせいだったかも知れないが、暗号解読でハッピーエンドでこのまま終わるという単純なお話しかと思っていたら、解読後に映画の質ががらり変わり、神ならぬ身が結果的に兵士や民間人の生殺与奪の権利を握ってしまうことになる苦悩の大きさ、戦争の不条理・史実の重みをみせつる。
「時に想像できないような人物が、想像できないような偉業を達成することがある」
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