飛べ!ダコタ 始めから終わりまでずーっと泣いていた


【56うち今年の試写会6】全く前評判は知らず、たまたま1回だけ映画館で予告編を観た瞬間に「これ!俺、絶対にはまるっ!」と確信、前売り券を購入して封切りを待った。

 終戦から5か月後の昭和21年1月14日。上海から東京へイギリス総領事を送る途中だったイギリス空軍要人機ダコタが悪天候に見舞われ、新潟県は佐渡島にある高千村の海岸に不時着する。ダコタは砂に埋もれ、滑走路もないことから乗組員は島にとどまることを強いられる。敵国であったイギリス軍人を前に、戦争で家族を失った者、いまだ戦地から戻らぬ息子を待つ者も少なくない住民たちは複雑な感情を抱く。だが、ダコタの第一発見者である千代子(比嘉愛未)の父で村長の新太郎(柄本明)は、率先して彼らを温かに迎え入れる。

 1946年に新潟県の佐渡島で起きた、イギリス軍要人機ダコタ不時着をベースにしたドラマで、佐渡島の小さな村に降り立つことになったダコタの乗組員らと、彼らを迎え入れて離陸に協力した住民たちのことを描いた映画で、監督は本作で劇場用映画デビューだそうな油谷誠至。
そうとう低予算の映画のようだ、英軍機ダコダが不時着に至るシーンの特撮なんてウルトラマン時代の円谷プロ並みで、砂浜に不時着するシーンはお金をかけないために音声だけで表現しているし。
役者も個性的な人をそれなりに配してはいるけど全体的にギャラは安そう(失礼)だし、エキストラさんが大活躍、そんなとこからも低予算が滲み出る。
この映画の元となったダコタ不時着の出来事も、そして低予算ながらこんな素晴らしい映画が出来たと言うことも、どっちにしても佐渡と佐渡の高千の皆さんの「おもてなし」の心のたまものなのだ。


 戦争とその戦争が終わったあと(いや、負けたあとだとこの映画ではいう)の、日本人の心の葛藤(いや、それは英国軍人も一緒か)を、さまざまなエピソードで織り込んで、少し欲張りすぎかと思いながらでも、程良い掘り下げ方と、程良く観ている者の想像力に訴え方で、消化不良を起こさずにきちっと描き切っている。
映画というのは、たくさんのお金をかけて製作することでも、賑々しく広告宣伝することでもないなあって、当たり前のことだけどしみじみ感じているのだ、鑑賞後。
きっと「少年H」は、この映画が適確に表現したことと、同じようなことを狙っていたのだろうけど、それが出来てなかったってのは、なんでだろうってなことまで考えてた、観ながら。


 「みんな悪い軍人さんたちに欺されてたっちゃ」というおばさんたちに、村長は言う、あれは「俺が欺していたのだ、ごめん」、そんな~村長がお国のみんなを欺せるわけ無いとおばちゃんたちの当然の反論に、村長は「欺されたと思ったままだと、次の戦争は止められない」的なことを言う、これは深い!
そうなのだ、あの戦争をその時の軍事の暴走のせいなのだ、そして今の日本国憲法をアメリカに押しつけられたものなのだ、と、とにかく人のせいにしたままだと、村長の言うとおりになるのだ。

 「女たちを不幸にする時代に戻さないで」、「自分たちが教えられたことが間違っていたことを教えたい」、今のこの時代だからしみじみ考えなくてはいけない重い言葉の数々。
全て書いたらネタバレになるから自粛、と言ってもけっして説教臭い映画ではないからね。
ほんとうにすばらしい脚本で、素晴らしい演出で、エキストラの皆さんの素朴な演技と個性的な役者さんの適確な演技とが相まって、とにかく始めから終わりまで、ずーっと泣いていた。
とにかく映画館で観れて良かった。
スポンサーサイト

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「飛べ!ダコタ」戦後間もない佐渡での事実を知った先に困った人を助けおもてなす日本人の助け合い精神

「飛べ!ダコタ」は1946年1月14日の戦後間もない新潟県の佐渡に不時着したイギリス軍機のダコタを佐渡の島民とイギリス軍の軍人と共同で再びダコタが飛び立つまでの実話のストーリー ...

『飛べ! ダコタ』 2013年9月24日 スペースFS汐留

『飛べ! ダコタ』 を完成披露試写会で鑑賞しました。 比嘉愛未、窪田正孝、ベンガル、柄本明、石井里佳、油谷誠至監督登壇 比嘉愛未は細い! そんで綺麗 【ストーリー】  終戦から5か月後の昭和21年1月14日。上海から東京へイギリス総領事を送る途中だったイギリス空軍要人機ダコタが悪天候に見舞われ、新潟県は佐渡島にある高千村の海岸に不時着する。ダコタは砂に埋もれ、滑走路もないことから乗組員は...

コメント

非公開コメント

プロフィール

hisapsurfrider

Author:hisapsurfrider

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
かうんたー
検索フォーム
QRコード
QR