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ゴジラ-1.0 史上最高に怖くて最強のゴジラさんにとっては不甲斐ないあつかいで、ほんとにごめんなさい。


【🎦31 2023/11/3鑑賞】出兵していた敷島浩一は日本へ帰還するが、東京は焼け野原と化し、両親は亡くなっていた。人々が日々を懸命に生き抜いていく中、浩一は単身東京で暮らす大石典子に出会う。しかし、これから国を立て直そうとする人々を脅かすように、謎の巨大怪獣が現れて……残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。

 「ゴジラ」シリーズの70周年記念作品で、山崎貴が監督、脚本、VFXを担当するパニックムービー、戦後、焼け野原となった日本にゴジラが現れ、戦争の惨禍を生き抜いた主人公らに襲い掛かるという映画。


 第2次世界大戦で、日本は核兵器という怪物に広島・長崎が見舞われたが、大戦終結後の世界では、アメリカとソ連の対抗関係を基軸の東西冷戦により両勢力は相互に恫喝しあうかのように核兵器開発を推進し、そんな中で起こった悲劇が1954年3月のアメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験により日本のマグロ漁船「第5福竜丸」被爆事件だった。
日本にとってはヒロシマ・ナガサキに続く、3度目の核兵器による被害だった。
で、「ゴジラはもともと、深海で生き延びていた約1億4000万年前の恐竜だったが、度重なる水爆実験によって眠りからさめ、水爆エネルギーを全身に充満させた巨大怪獣となって人類に襲いかかる」という基本設定があって、ここが非常に重要な軸だったはず。
ゴジラは、時代時代で破壊者から守護者やヒーローまで様々な顔を見せているが、そのゴジラの生誕というエピソードにより、反戦・反核というメッセージや、権力者や政治への批判を込めているものというのが、これまで大切にされてきた重要なテーマだった。
この作品では、第二次世界大戦直後という大胆な時代設定にしたせいで、「ビキニ環礁水爆実験」の「大戸島」の取り扱いがおかしくなってしまったので、昔からのゴジラファンにとってはかなりの大混乱に陥れられるってことで、ドン引きだ。


 一方で、今作では、大日本帝国憲法の下、先の無謀な指導者の盲動による戦争でこの世の地獄を経験し、多大な犠牲を払った日本人のトラウマを具現化しつつ、その対抗軸にゴジラを配したということでは、あるいは重い。
不気味に戦前回帰が進んでいく現代日本への警鐘かのように、戦前・戦中の日本政府が、国民の目を真実から逸らし、人命を粗末に扱ったに対する恨みと憤りを、描いているという点ではメッセージを感じる。
しかも、観る者に有無を言わさぬ恐怖を与えるのがモンスター映画の必須条件であるとすれば、本作のゴジラは未だかつてないほど強すぎて残酷すぎて、圧倒的な絶望であり、容赦がなさすぎた。
自衛隊が出来る前という時代設定のせいで、これまでのゴジラ映画では大活躍した自衛隊ではなく、戦後復興を遂げつつある平和な日本で、日本国民を自衛ということで守るためにいまだ戦争の悪夢に囚われた元日本兵たちが立ち向かうという図式にしてしまったのも、あの暗黒の軍事主義的な時代への復古を全否定しているかのようだ。
さらにゴジラが放出する放射火炎が今作では、完全に原水爆兵器による爆発を呈しており、広島・長崎では、爆発に伴って熱線と放射線、周囲の大気が瞬間的に膨張して強烈な爆風と衝撃波を巻き起こし、その爆風の風速は音速を超えたという状況に加え、「黒い雨」などの放射性降下物(フォールアウト)も恐怖的に描いていた。


 と、いろいろなんとか褒めるべき部分を見つけてみたが、実は、そんなことは一生懸命良いところを探してみて感じたことであって、B級怪獣映画に適当に添えられた物語程度の浅すぎるストーリーと脚本で、実際は突っ込みどころも満載すぎて、ほんとに悲しくなる。
映画というエンターテイメントとして見れば、ゴジラの造形やCGはこれまででは最高の品質だと思ったし、神木隆之介と浜辺美波のペア主演はどうしようもない脚本や演出の中であっても、ちゃんと良い演技をしていたんやけど…。
ゴジラさんもめっちゃ怖くて強かったのに、とっても不甲斐ないあつかいで、ほんとにごめんなさい。


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