fc2ブログ

怪物 音楽、脚本、役者、そして是枝監督の力が渾然一体となって、素晴らしい作品に昇華していていく…


【🎦18 2023/6/3鑑賞】 息子を愛するシングルマザーや生徒思いの教師、元気な子供たちなどが暮らす、大きな湖のある郊外の町。どこにでもあるような子供同士のけんかが、互いの主張の食い違いから周囲を巻き込み、メディアで取り上げられる。そしてある嵐の朝、子供たちが突然姿を消してしまう。

 是枝裕和が監督を務め、脚本を坂元裕二、音楽を坂本龍一が担当したサスペンス、けんかをした子供たちの食い違う主張をきっかけに、社会やメディアを巻き込む騒動が起こるという映画。
と、映画の宣伝や映画の紹介ではこうなっているが…。
そして、映画の導入部も、我が子の異変に気付いた母親、生徒への体罰を疑われる若手教師、事態を穏便に済まそうとする学校…。
って話が進んでいくが、ここで映画の方向性が読めたと思ったらそれはまったく大間違い。


 人は生きている上で、どうしても他者同士お互いに見えていないものがある、それを理解し合っていかなければならない時に直面した場合どういったことが起こるのか、そしてどうすればいいのか。
ほんとうにほんとうにトリッキーな脚本で、カンヌ映画祭で坂元裕二さんが脚本賞の受賞されたことが、なっとくだ。
人間って誰しも先入観や偏見からは逃れられないし、特に大人は下手に人生経験があるからか、目に見えただけの情報に、自分の思い込みで物事を判断しがちだし、その判断を否定されると、なんであなたはわからないのだと敵対視しがちだ。
しかし世の中には様々な事情を抱えた人たちがいるし、自分にとっても知らなかったり、まったく違う生活や背景や環境があったりする。
この映画の中でも、たった一つの出来事に対して、何通りの理由や理屈や人の思いや鬱屈や悩みがあったのかと思い知らされる。


 とにかく、麦野湊を演じた黒川想矢と、星川依里を演じた柊木陽太、この二人の子役の瑞々しい演技は、ほんとうに映画を喰う存在感!
そして、映画には2023年3月28日に71歳でお亡くなりになった「教授」坂本龍一さんの新曲2曲と坂本の最新アルバム『12』からの楽曲が使用され、その他にも坂本の過去の楽曲からいくつか使用される形で映画に流れる音楽が構成されている。
音楽、脚本、役者、そして是枝監督の力が渾然一体となって、素晴らしい作品に昇華していていくしかなかった、としか言えない。


スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

hisapsurfrider

Author:hisapsurfrider

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
QRコード
QR