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ゴヤの名画と優しい泥棒 ロジャー・ミッシェル監督の英国愛溢れる遺作であり、爽快な映画で最高っ❗


【🎦11 2022/03/14鑑賞】 1961年、イギリス・ロンドンにある美術館ナショナル・ギャラリーで、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの絵画「ウェリントン公爵」の盗難事件が起きる。犯人である60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)は、絵画を人質に政府に対して身代金を要求する。テレビが娯楽の大半を占めていた当時、彼は絵画の身代金を寄付して公共放送BBCの受信料を無料にし、孤独な高齢者たちの生活を救おうと犯行に及んだのだった。


 1961年にイギリス・ロンドンのナショナル・ギャラリーで起きた絵画盗難事件に基づくコメディー、60歳のタクシー運転手が、盗んだ絵画を人質にイギリス政府に身代金を要求した事件の真相を描くという映画。
英題は「THE DUKE」、公爵という意味だ。
197年の歴史を誇る世界屈指の美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」で起きた、フランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件。


 政府は貧しい人々や僅かな年金で暮らす高齢者からも高い税金を取るうえに、庶民の娯楽であるテレビの公共放送BBCには受信料という税が課される。
それで自宅のテレビを改造しBBCが映らないようにしたり、街中で署名活動をやったり…と細かい抵抗を試みていた矢先、政府は海外流出しそうになっているゴヤの絵画を、国宝としてウォルフソン財団と財務省の特別補助金の援助を得て14万ポンドという高額で買い戻したニュースに、タクシー運転手であり自称戯曲家のジム・ブロードベント演じる主人公ケンプトン・バントンは、頭に来て、その名画を強奪し人質に取って政府へ身代金14万ポンドを要求。
それを基金として自分のためではなく、年金生活者のBBC受信料に充てるべく立ち上がる!


 という社会派にも振れる題材のはずなのに、この映画は、ひと味違う仕上がりになっている。
英国の北方ヨークシャーの街並みから、建物の内装、お茶の時間の家族のちょっとした会話まで、英国気質がにじみ出てきて、豪華ではないがとってもお洒落。
仲良し息子との掛け合い、タクシー運転手としての仕事ぶり、妻にやり込められつつ仲むつまじい、主人公は、作中、自身の理念を曲げない超偏屈なじいさんとして描かれていながら、前半ではそこをコメディにしてテンポよくストーリーを展開させていく。
しかしクライマックスの法廷シーンでは、そのバントンの信念を、ウィットに富んだ切り返しのなかにフォーカスすることによって、明るくハートウォーミングでありながらもメッセージ溢れる映画にしてしまった。
昨年65歳で死去した「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル監督の英国愛溢れる遺作となっていて、最高の結末と共に、軽妙かつ深い味わいを堪能させてもらった。


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