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護られなかった者たちへ 最後まで観ることでタイトルの意味合いが理解できる…


【🎦33】 東日本大震災から9年が経った宮城県の都市部で、被害者の全身を縛った状態で放置して餓死させるむごたらしい連続殺人事件が起こる。容疑者として捜査線上に浮かんだのは、知人を助けるために放火と傷害事件を起こし、刑期を終えて出所したばかりの利根(佐藤健)。被害者二人からある共通項を見つけ出した宮城県警の刑事・笘篠(阿部寛)は、それをもとに利根を追い詰めていく。やがて、被害者たちが餓死させられることになった驚くべき事件の真相が明らかになる。

 中山七里の小説「護られなかった者たちへ」を原作にしたミステリードラマ、宮城県で発生した連続殺人事件の容疑者となった青年と、彼を追う刑事の姿から日本社会が抱える格差の実態を浮き彫りにするという映画。

 東日本大震災から10年後の東北・仙台で、奇妙な手口の連続殺人事件が発生するが、その捜査を担当するのは震災時に津波で妻子を失ったベテラン刑事と、警視庁を希望したにも関わらず採用にこぎ着けたのは宮城県警であったことと震災を知らないことに屈託しつている若手刑事。
被災者たちの回想シーンが絡みつつ、捜査が進むにつれ、事件の背後に社会から見放された被災者たちの怒りと哀しみが浮かび上がってくる。
公助よりも自助を求めて弱者を冷たく突き放す行政、他人の悲劇すらも消費して簡単に忘れ去る大衆、そして名ばかりの復興で置き去りにされた被災者たち。


 未だ傷が癒えることのない東日本大震災と、深刻な生活保護受給問題、そこを軸にして、猟奇犯罪サスペンスの形を借りながら、現代日本社会の在り方に強く疑問を呈すという、かなりヘヴィな社会派サスペンスだった。
最後まで観ることで、タイトルの意味合いが理解できる仕掛けだ。


 ヒロインを演じた清原果耶の存在感が際立っていたのは言うまでもないが、物語の中でとても重要であり、二面性を持つ難しいキャラクターを永山瑛太、緒形直人、吉岡秀隆の3人が巧みに演じていたことによって、見事にこの映画を説得力ある作品としていた。


 この映画の中でキーとなったのは「扶養照会」
生活保護を申請した人の3親等内の親族に、申請者への援助が可能かどうかを問い合わせるのが「扶養照会」だ。
この扶養照会があるがために、多くの人が家族との関係を悪化させてしまったり、DV加害者に住居がばれてしまったり、この映画のようにどうしても自分が生きていることを親族に知らされたくないために「生活保護」を辞退せざるをえなかったり…という現実がある。
今年の3月から扶養照会の運用が変わって、申出書で扶養照会を回避することが出来るようになったようだが…。⇒一般社団法人 つくろい東京ファンド「扶養照会の運用が変わりました!申出書で扶養照会を回避しましょう!」

 ちなみに日本国憲法第 25 条に規定する理念に基づき、「健康で文化的な最低限度の生活」を権利として具体化した「生活保護制度」について言及した国会議員などの発言を、何例かここに記録しておく。

菅義偉(自民党)「新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に困窮する人たちへの支援を巡り、菅義偉首相が『最終的には生活保護』と答弁、立憲民主党の蓮舫氏は『生活保護に陥らせないようにするのが総理の仕事だ』と指摘。菅首相は、自助・共助・公助の中で生活保護があるとした上で、『やはりまずは自分でできることは、やはり自分でやってみる。そうして家族や地域で、ささえてみる。それでもダメであったら、必ず国や地方団体がしっかりささえてくれる。そうした社会にしたい』と述べた。 」

片山さつき(自民党)「生活保護は、親族扶養や血縁者による支え合いなど日本の伝統的モラルを破壊している」「生活保護は、働けるのに働かない人々を生み出す」「不正受給こそが生活保護の大問題」「生活保護は、権利ばかり主張して義務を果たさない人々を生み出す」「外国人に生活保護を適用すべきではない」

世耕弘成(自民党)「生活保護者にフルスペックの人権は認められない」

高市早苗(自民党)「弱者のふりをして少しでも得をしよう、そんな国民ばかりがいたら日本は滅びる、」

吉村洋文(大阪維新)「吉村氏は、2018年衆院厚生労働委員会で、利用者の医療費負担が免除されていることについて『負担の感覚がなく、頻回受診や重複処方につながる』と主張。後発薬の原則化を歓迎し、『医療費の一部自己負担が必要』と述べた。」
橋下徹大阪市長時代の大阪維新の会の制度改革案では「現金支給をやめ、現物支給にする」「受給資格を期間限定とし、継続には再審の手続きを必要とする」などと示した。



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