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ミナリ 不良ハルモリの怪演、心に沁みた。


【🎦13】 1980年代、農業で成功したいと意気込む韓国系移民のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、アメリカ・アーカンソー州に家族と共に移住。広大な荒地とおんぼろのトレーラーハウスを見た妻は、夫の無謀な冒険に危うさを感じる。一方、しっかり者の長女アンと好奇心豊かな弟デビッドは新天地に希望を見いだし、デビッドは口の悪い破天荒な祖母とも風変わりな絆を育む。しかし、干ばつなどのために窮地に立たされた一家をさらなる試練が襲う。

 映画スタジオA24とブラッド・ピットの制作会社プランBが組み、成功を夢見てアメリカ南部に移住した韓国系移民一家を描く人間ドラマ、さまざまな困難に直面しながらもたくましく生きる家族の物語は、サンダンス映画祭でグランプリと観客賞を受賞した。
第93回アカデミー賞では「ノマドランド」の対抗馬と評され、作品賞、監督賞、脚本賞など計6部門にノミネートされている。

 韓国からアメリカに移住した一家の物語を、異文化衝突の話としてではなく、人種も国籍も関係なくどの場所にもどの時代にもいる、新たな土地にやってきて熱心に働く貧しい人々の話として描く。
ひよこの雄雌を鑑別して一生を終えたくないと、自分の事業を始めた夫、反対はせずともお金がないことに不安を覚える妻、そんな両親に連れてこられてしまった(!?)娘と息子、その息子は心臓に病気を抱えている。


 一家が体験する細々とした出来事をつなげてアメリカンドリームに翻弄された家族の揺れへと物語が進む。
幼いながらに両親の苦労と関係の変化を敏感に感じ取っている様が切ないが、そこに韓国で一人暮らしする妻の母を呼び寄せたが、そのおばあちゃんが、おばあちゃんらしくなく、ってかかなりの不良ばあちゃんで、アメリカ生まれの少年とは最初はかなりの不協和音を奏でるが、しかし徐々に絆を培う。
家族を結びつける存在にして、重要なセリフを語り、そして映画の生死感を反映した人物であるこの祖母を演じるのは、韓国の国民的女優ユン・ヨジョン、アカデミーでは助演女優賞にノミネートされている。


 タイトルの미나리(ミナリ)というのはセリ(芹)、たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められているそうだ。
祖母が弟に語りかける、「ミナリは最高の食べ物だよ。雑草みたいにどこでも育つから。誰でも食べられる。お金持ちも貧しい人も食べて元気になれる。具合が悪い時は薬にもなる。ミナリは本当にワンダフルだよ」
韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョンが監督・脚本を手がけたが(アカデミー賞では監督賞、脚本賞にもノミネートされている)、韓国系移民を主人公に据え、限りなく現代に近い時代設定で、開拓者の物語を作り、そして見事な着地点にたどり着けた監督の手腕、心に沁みた。
自分的にはノマドランドよりこちら推し。

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