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ファーストラヴ もっと違う映画をイメージしていた、サスペンスではなかってんや…


【🎦6】 アナウンサー志望の女子大生、聖山環菜が父親を刺殺する事件が発生。環菜のドキュメンタリー本の執筆を依頼された公認心理師の真壁由紀(北川景子)は、面会や手紙のやり取りを重ね、環菜の周囲の人々を取材する。環菜に自身の過去を重ね合わせた由紀はやがて、心の奥底にしまっていた記憶と向き合うことになる。

 島本理生の直木賞受賞小説「ファーストラヴ (文春文庫)」を、北川景子主演で映画化したサスペンス、北川演じる公認心理師が、父親を殺した女子大生の事件に迫る中で、犯人の心の闇とともに自身の過去とも向き合っていくという映画。
もっと違う映画をイメージしていた、サイコパスな娘の猟奇的親族殺人とか、殺人動機を探るうちに人間の持つ心の闇に引き摺られていくような心理サイコスリラー的なものかと思っていた。


 しかし大いに違った。
親子関係や恋愛関係において「そう思う私がおかしいのではないか」とか「そんなことをした私が悪いのではないか」とか自分の思いや感情を閉じ込めてしまう。
少女時代に父から与えられたトラウマの問題と、その根底にある男性にとっての女性の位置づけ、男性にとって都合の良い「わきまえた女」であることを強いられ、「嫌だ」という抵抗の声を封じられてきた女性たちという、今まさにジェンダーに関する課題。
この作品で描かれているのは、家族や親族の性的虐待ではなく、刑法上は犯罪にならないまでも被害者の魂や肉体が破壊される性被害だ。
被害者の魂と肉体が破壊されたときに、浮かび上がって来るのは、心に刻まれた深い傷の痛みだ。

 性犯罪や性被害は、被害者に深刻な精神的な反応を引き起こすことが明らかになっている。
被害を受けた直後は、一種のショック状態が続き、心や体に変調を来たすことがあり、これは突然ひどい出来事に遭遇した場合に、同様の反応が起こることに似ているし、性犯罪は、他の犯罪に比べてPTSD(「再体験(フラッシュバック)」、「回避」、「過覚醒(不眠、イライラ)」等)の症状をもたらすことが多いといわれている。
自分は、社会保険審査会と労働保険審査会の参与に就任していて、日々、精神疾患から派生した再審査請求に接しているが、セクハラ・パワハラ・モラハラなどのハラスメントが原因だと主張する職場環境を端緒とした事件プリントを読むたびに、そこに至る請求人の幼少期がどうだったのだろうと、事件を評価する以前に思いが至ってしまう癖がある。
実は、原因がそっちなのではないかと思われるケースが少なからずあるからだ。


 映画の評価としては「悪くない、極めて素晴らしい社会派ドラマだ」ということなんだが、ごめんなさい、それ以前に重く考えてしまうテーマだったから、こんなブログになってしまった。
北川景子の演技はワンパターンすぎて飽きてしまっているねんけど、美しい人やから許すとしつつ、聖山環菜を演じた芳根京子が迫力溢れる演技で、この映画の単調となりがちな展開にアクセントを与えていた。
そしてUruが歌い上げる主題歌「ファーストラヴ」・挿入歌「無機質」の破壊力がすさまじかった❗


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