白ゆき姫殺人事件 まさに嫌な気分になるミステリーだわ~


【19】湊かなえさんの、この映画の原作「白ゆき姫殺人事件」は未読。
これまで、湊かなえさんの作品は、「告白」、「贖罪」、「花の鎖」、「夜行観覧車」などを読んでいるが、とにかく構成の巧みさが斬新で、時間を忘れて一気に読み切ってしまう傑作ばかりだ、というのが率直な感想。
映画化された「告白」は、原作の魅力を見事に生かし切っていて、映画化しても、そのストリーの構成力はほんまものだってのが感想だった。

 人里離れた山中で10か所以上を刺され、焼かれた死体が発見される。殺害されたのは典子(菜々緒)で、容疑者は化粧品会社のOL城野美姫(井上真央)。テレビディレクターの赤星雄治(綾野剛)は、美姫の同僚、家族、幼なじみなどに取材。典子が美姫の同期入社で、美人で評判だった一方、美姫は地味で目立たない存在だったことが報道され……。

 美人OLの殺害容疑を掛けられた女性をめぐって、関係者・無関係者、様々な立場の人間の、悪意を斬新な切り口で浮き彫りにしていくというサスペンスドラマ。
報道によって浮かび上がる容疑者像をきっかけに、インターネット上での匿名の中傷やマスコミの暴走など、現代社会の闇が描かれているこの映画を、「ゴールデンスランバー」などの中村義洋さんが監督ということなので、否応なしで期待するしかないでしょ!


 彼女の作品は「イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリーというジャンル)」というらしいが、この映画もほんまに鑑賞後にはものすごく嫌な気分になる、いや、言い方を変えれば重いおもい余韻を濃厚に残してくれる。
表と裏、真実と虚偽、本音と建て前、自分と他人、リアルとバーチャル、それらの境目を混乱させるという複雑なプロットながら、細々とした手法を散りばめて、観る者の集中力を切らすことなくグイグイと引っ張り、そしてその果てには、ほんと、ぐうの音も出ない納得のラストが待っていた。

 いや、納得と書いたが、物語としてのラストは納得するが、この作品が観る者に投げかけた現在の社会に対してのアンチテーゼについては、「あるある~」なんて軽く納得するわけにはいかず、どうしても考え込んでしまうように仕掛けてあある。
ちょうど先日、袴田事件の再審が決定され、司法や警察が冤罪を作るという不信がますます募っているし、理化学研究所の小保方晴子さんを、持ち上げるときはとことん持ち上げて、落とすときは地の果てまでたたき落とすというマスコミのやり方に、ますます不信感が増している、たまたまそんな時にこの映画やからね。


 主人公の城野美姫役の井上真央ちゃんは、いつもの、存在感溢れ出しや目力強しの得意キャラを、完全に封じ込めて、影と幸の薄い、ほんま究極な「地味」な役を見事に演じており、やっぱ上手い役者やな~と。
赤星雄治役の綾野剛、狩野里沙子役の蓮佛美沙子、篠山聡史役の金子ノブアキ
、その他、谷村美月、小野恵令奈、秋野暢子、ダンカン、貫地谷しほり、山下容莉枝、生瀬勝久など個性的俳優陣は、この映画の意地悪さと複雑さを怪演!
そして三木典子を演じる菜々緒の、妙に説得力ある演技が、この映画のリアリティを強調させていた(演技ではなくて「地か?」とも思われるが)。
定評の股下85センチの美脚も、チラッと、ギリギリまで見せてくれるというサービスカットがあったことも嬉しい~(*^▽^*)

 最後の最後まで、集中力を切らさなければ、すっごく面白い映画だったと思って貰えると思う、そんな映画だった。

    
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コメント

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私 この人の作品文庫版は全部持ってて、ひさぴの言うように ひきこまれて一気に読んでしまう。確かに よみおわったら どんよりなんとな~く重苦しいわ。

  ほんまのめり込むね。
  もの凄く重いテーマを(子供が居るとむちゃくちゃ切ないテーマでもあって)、さらっと、どっかーんとのし掛かってくるってのが、読み終わったら堪えるねん。
  でも、面白いから、やめられない(;゚ロ゚)
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