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グリーンブック 設定は非常にシリアスだが、ユーモアあふれるほんとにすてきなロードムービーだ


【12 試写会2】 1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、クラブの改装が終わるまでの間、黒人ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手として働くことになる。シャーリーは人種差別が根強く残る南部への演奏ツアーを計画していて、二人は黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに旅立つ。出自も性格も違う彼らは衝突を繰り返すが、少しずつ打ち解けていく。

 黒人ピアニストと彼に雇われた白人の用心棒兼運転手が、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を手に人種差別が残るアメリカ南部を巡る人間ドラマ。
タイトルとなっているグリーンブックとは、「黒人ドライバーのためのグリーン・ブック」 (The Negro Motorist Green Book または The Negro Traveler's Green Book) と言い、人種隔離政策時代に自動車で旅行するアフリカ系アメリカ人を対象として発行されていた旅行ガイドブックのことだそうだ。
書名は創刊者であるヴィクター・H・グリーンに由来し、「グリーンによる黒人ドライバーのためのガイドブック」という意味になるが、通常は単に「Green Book」と呼ばれたとのこと。
実話ベースの本作、かたや黒人のエリート、かたやイタリア系白人のブルーカラー、実はどちらもアメリカ社会では被差別者であり、しかもトニーは黒人に対して潜在的な差別意識を持っている、という設定は非常にシリアスだ。


 となると、本来主人公二人の関係にこそ、差別の根深さがあるわけだが、決して深刻な暗い話にはせず、差別に関するメッセージを押し付けることもなく、シニカルかつ暖かいユーモアで、酷い人種差別のエピソードさえも笑いに昇華させる演出が憎い!
価値観やバックグラウンドが異なる主人公二人が、本音で向き合い、歩み寄り、友情が芽生え、培っていく、その過程を一緒に体験していくという、ほんとにすてきなロードムービーだ。
分断が深刻化するアメリカ、いや世界が、いや日本もだが、このままどうなってしまうんだろう、どこへ行くんだろうと不安が募る昨今に、とても考えさせられる作品。


 アカデミー賞では、「作品賞」、「助演男優賞」(マハーシャラ・アリ)、「脚本賞」を受賞、「主演男優賞」(ヴィゴ・モーテンセン)、「編集賞」にもノミネートされていた。
ところで、忘れてはならないのが、リップの妻であるドロレス・バレロンガを演じていたリンダ・カーデリーニの存在感は、作品にとってもいいエッセンスになっていたことだ。
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