大統領の執事の涙 アメリカの近代史を描くスケールの大きな作品


【13】見たかったがなかなか上映時間が合わなかった映画2本を109シネマズ湘南にて、映画の日にまとめて鑑賞の1本目。

 綿花畑で働く奴隷の息子に生まれた黒人、セシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)。ホテルのボーイとなって懸命に働き、ホワイトハウスの執事へと抜てきされる。アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、フォードなど、歴代の大統領に仕えながら、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争といったアメリカの国家的大局を目の当たりにしてきたセシル。その一方で、白人の従者である父親を恥じる長男との衝突をはじめ、彼とその家族もさまざまな荒波にもまれる。

 原題はLEE DANIELS' THE BUTLER、実在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにしたドラマ。奴隷から大統領執事となり、7人の大統領に仕えた男の波乱に満ちた軌跡を追っている。
実は自分は、「大統領の執事の涙」という邦題を見て、大統領が交代するたんびにこれまでのやり方とルールがころころ変わって、怒られたりいじめられたり、「辛いの~」と枕を濡らし続けた執事の悲哀に満ちた物語だと思っていた。


 フォレスト・ウィテカー演じるセシル・ゲインズの視点を通して、アメリカの公民権運動、酷い人種差別、ベトナム戦争、ケネディ暗殺、ウォーターゲート事件など、アメリカ近代史を見つめている。
そして彼の家族を通じて、アフリカ系アメリカ人の奴隷解放から人権の確立までの過酷な運動を描いている。
132分という尺の映画だが、ほんとうにスケールの大きい映画に仕上がっている。

 「アメリカという国は他国の歴史に難癖をつけるくせに自国の暗部には目をつぶる」というような台詞があったが、まさにこの台詞のためにこの映画は作られているようだ。


 アイゼンハワー大統領にロビン・ウィリアムズ、ジョン・F・ケネディ大統領にジェームズ・マースデン(ジャクリーン・ケネディにはミンカ・ケリー、ジョンソン大統領にリーヴ・シュレイバー、ニクソン大統領にジョン・キューザック、レーガン大統領にアラン・リックマン(ナンシー・レーガンはジェーン・フォンダ)、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアを演じたネルサン・エリス、ジェームズ・ローソンを演じたジェシー・ウィリアムズ…みんな雰囲気がそっくりでびっくり、3歳の頃のキャロライン・ケネディも最近見たケネディ駐日大使の過去の映像の雰囲気そのまんま。
(フォード大統領、カーター大統領、オバマ大統領と公民権運動のリーダーであるジェシー・ジャクソンはアーカイヴ映像を使って描かれていた、蛇足ながらマライヤ・キャリーとレニー・クラヴィッツも思いも掛けない役で出ている)
でももっともすばらしかったのは、ゲインズの妻グロリアを演じたオプラ・ウィンフリーだったろうな。

 小学6年生の頃に、テレビで「ルーツ」という黒人奴隷の問題を描いた映画が8夜連続で放送され、たいへん影響されたが、この映画を見て、再び観たくなった。
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